ここでは、研究者が論文を執筆する際に注意すべき事項を掲載しています。
研究倫理
研究に大切なのは「誠実さ」と言われています。様々な研究は、これまでに蓄積された先行研究の結果を基に成り立っています。
捏造、改ざん、剽窃などの行為の他、以下の行為は、研究倫理に反するものの一例です。
故意でなくとも、信用を失うことになりますので、ご注意ください。
すでに発表している論文と同一の内容で、他の投稿先へ発表することは、二重投稿となり倫理違反となります。
和文で書いた論文を、英文など他の言語に翻訳して他の雑誌に投稿する場合は、二次出版となります。論旨を変えないこと、一次出版物の明記や権利関連の許諾などの他にも、手続きが必要になることがあります。
一つの論文にまとめられる内容(結果)を意図的に分けたものは、実績の水増しを疑われ、非倫理的行為とされています。
過去に同様のテーマ(題材)で投稿した論文は、主旨を一貫するためにも同じ媒体に投稿すべきとされています。また、何らかの理由で他誌に掲載を行う際は、最初の掲載先に許諾を得ることや報告をすることが規定されている場合があるので、投稿前に確認してください。
誠実な科学者としての心得
日本学術振興会発行『科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-』をお読みください。
『科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-』
また、『科学の健全な発展のために』をもとに研究倫理を学修できるようにした、eラーニング教材『研究倫理eラーニングコース(e-Learning Course on Research Ethics)【eL CoRE】(無料)』があります。
研究を進めるにあたって知っておかなければならないことや、倫理綱領や行動規範、成果の発表方法、研究費の適切な使用など、科学者としての心得が示されています。
『研究倫理eラーニングコース(e-Learning Course on Research Ethics)【eL CoRE】
参考資料
日本学術振興会 『研究倫理eラーニング 』
日本学術会議 『科学者の行動規範-改訂版-』
人を対象とした研究
人を対象とした実験や調査を行う場合には、倫理面や安全面に考慮して、研究に必要な範囲内で適切に実施する必要があります。また公表する際には、個人情報保護や研究対象者の人権擁護に配慮するなど、研究全体での周到な計画性が求められます。
研究倫理審査申請について(事前申請)
本学の専任教員及び非常勤教員、学部学生、大学院生を含む研究者が、社会学、医学、生物学にかかわる研究を行う場合、「人を対象とした研究」で倫理上の問題が生じる恐れのある研究、また研究結果の公表を行う場合は、研究対象者の人権擁護に配慮する必要があります。
申請の際は、教務課までお問合せください。
粗悪学術誌に注意
-オープンアクセスジャーナルに論文を投稿する前にー
近年、査読誌をうたいながら、適切な査読を行わずに論文を掲載し、高額な投稿料を搾取する粗悪学術誌が増加しております。このような粗悪学術誌への投稿は、自身の評価を下げるだけでなく、大学全体の研究に対する評価を損ないかねません。
海外では【Predatory Journals】(略奪的雑誌)と呼ばれており、日本語では【ハゲタカジャーナル】と翻訳されています。適切な査読を行わないこと、高額な論文投稿料を要求すること、論文の取下げに応じないこと等、多くのトラブルを起こしています。
- 高額な投稿料が請求される
- 全く査読されずに論文が掲載される
- 論文の取下げを要求すると高額な手数料が請求される
- 会費徴収が目的の国際会議等に勧誘される
- オープンアクセスだった論文が突然閲覧できなくなる
- 研究成果が正当に評価されなくなる
以下を確認してから、投稿先を決定されるよう、ご注意ください。
ハゲタカジャーナルであるかチェックするためのサイト
・Think. Check. Submit.
・Think. Check. Submit.(日本語)
健全なオープンアクセスジャーナルがまとめられたサイト
・DOAJ(Directory of Open Access Journals)
参考となるサイト
- 参考文献の書き方 ※本学研究紀要に投稿する際は、各ガイドラインに準じて作成してください。
SIST 科学技術情報流通技術基準
科学技術振興機構が作成した科学技術情報の流通を円滑にするために設けられた基準。※SIST事業は2011年度末終了 - アート系論文 : 書き方と執筆のススメ [PDF] 芸術科学会誌DiVA 第51号 (2021年冬号) pp. 9-28
- オープンサイエンス
NIIオープンサイエンス基盤研究センター(RCOS)
オープンサイエンス・研究データ管理